白内障手術

白内障手術

白内障は、黒目の中側が段々と濁ってきて、かすんだり、ぼんやりしてくる病気です。年齢からくると言われていますが、若い世代でも手術を受ける方がいたり、逆に80−90歳代の方でも、手術を受けずによく見えている方もいらっしゃいます。科学的に証明されている唯一の原因は紫外線といわれていますが、一切外に出ない生活は難しいですから、一日中外出するときは、帽子やサングラスを使われることをお勧めします。

進行予防のための目薬や飲み薬が厚生省に認可されていますが、白内障が溶けてなくなる訳ではありません。最終的には手術することで、明るくすっきりした見え方を確保します。ただし乱視のある方や、目や体に外の病気のある方はその限りではありません。手術前や後によく病院での説明を聞きましょう。最近では遠近両用の人工眼内レンズも認可されましたが、保険適用外治療なので治療代が高額になります。

白内障手術(超音波乳化吸引手術)は、従来の方法(計画的嚢外摘出手術)に比べると手術機械の進歩に伴い傷口が小さく、目の中を触る時間も減ってきました。それだけ手術後の見え方がより安定しやすく、術後感染症がおきにくい環境を整えやすくなりました。ですから以前は片目の手術で1週間入院、手術後は絶対安静、ベッドを降りてのトイレ不可など厳しい基準もあったようですが、現在は通院での手術が主流となっています。但し眼の他の病気や体の病気の兼ね合いで、入院手術が必要な方もいらっしゃいますので、そのような方は大きな病院での入院手術が必要になります。

ご存知の通り入院したからといって、看護士さんが24時間つきっきりで点眼してくれたり、眼をこすりそうになった手をよけてくれたりするわけではありません。通院にせよ、入院にせよ、ご本人やご家族が点眼を練習したり、忘れないような工夫をしていただいたり、眼をこすらないような工夫をしていただいて、初めて手術後の安心した見え方を得られるものです。そんな意味でも、どの病院でも手術前や後の説明や注意点を細かく教えてくれると思いますので、しっかり聞いてわからないことはどんどん聞いてみてください。手術をお受けになるご本人やご家族と病院がしっかりコミュニケーションがとれていないと、たとえ手術自体が無事終了していても、ご本人が満足されていないケースがあることを知っていただきたいです。